ごきげん漢方川田薬局からのお知らせ


● 寒と熱

東洋医学では、一般によく言われる暑がり・寒がり・あるいは冷え症などの、 寒暖の感じ方の違い・体質の違いを、より全体的・全身的に捉えて、考えていきます。 体の各部位、内臓も含めて寒暖の違いを全体的に考え、 臓器や部位によって、それぞれ寒(冷え)・熱(暑い)が異なる場合もあると考えます。 つまり、1人の人の中に「寒熱が混在している」と考えることが多々あるのです。
この寒熱の証の違いによって、処方する漢方も、異なってくるため、 寒熱や、後述する表裏・陰陽虚実等の証の判断は、非常に重要な視点になります。
下図に寒熱のそれぞれの特徴・症状などの違いを示します。

 寒証熱証
基本状態体が冷えて、生体の機能が低下した状態体に熱があって、生体の機能が昂進した状態
症状体が冷える。冷たいものが飲めない。冷房が苦手。温めると気分が良い。冬の寒さに弱い。暑がり。冷たい飲み物が好き。冷やすと気分が良い。夏は苦手。
病因寒邪により体が冷えが増し、体温を保つ陽気を害する。熱邪により体内の熱性の症状(暑がり・体の乾燥等)が増す。
治療・漢方薬温法・温性薬
(体を温める)
清熱法・清熱薬
(体の熱気を取る)

次に身体や症状の主な特徴を図示します。

淡白色紅色
舌苔白色黄色
口の中薄くて多量の唾液口の中が乾燥する、または苦い。
顔色青白い(または黒い)赤い。または赤黒い、黄色い。
手足冷たいほてる
生理周期約28日より遅くなりがち約28日より早くなりがち
生理の量多い少ない
生理の色暗紅色鮮紅色
遅い早い
大便下痢・軟便便秘・固い
尿の色透明濃色(濃い黄色)
尿の量と回数量・少ない
回数・少ない
量・多い
回数・多い

● 表と裏

1、表証

表証は、人体の比較的浅い部分に病邪がいる状態を言います。病状も、それほど重くない場合が多いものです。

感染性の疾患の場合、初期の症状・状態が表証にあたります。 表証の症状である、悪寒や発熱、身体の痛みは、感染の原因(ウイルス等)に対する防御反応と考えられます。

表証悪寒・発熱、頭痛・関節痛・身体の痛み、鼻づまり、脈浮、薄くて白い舌苔。
表寒証悪寒が強い。熱は高くならない。
表熱証悪寒は比較的軽い。高い熱が出る。
表虚証自汗(自然発汗)がある。
表実証自汗がない。

2、裏証

裏証は、病邪が身体の深部にまで達している状態を言います。多くの場合、病状は重くなります。

感染性の疾患の場合、中期から最盛期に見られる症状・状態が裏証にあたります。 風邪の症状でたとえると、表証の段階では、悪寒・発熱など、急性の症状に見舞われますが、 しばらくして、風邪の中期になると、顔が赤らみ、悪寒のない高熱が続いたりします。 また、中期から末期にかけては、激しい咳や、濃い色の淡の絡んだ咳が出たりします。 表証から身体の器官等へ入り込んだ症状・障害が裏証になります。

裏証悪寒のない高熱。あるいは毎日一定の時間に発熱、または退熱する。意識混濁、胸満・腹満など。脈沈、黄色い舌苔。

3、半表半裏証

表証と裏証の中間証。表と裏の中間に病邪がいる状態になります。

半表半裏証悪寒と発熱が交互に表れる。食欲不振で、口の中が苦く、喉が乾燥する。脈弦、白い舌苔。